耳鳴に対する漢方薬処方の要点
<3大処方>
・牛車腎気丸 高齢者 夜間頻尿
・釣藤散 高血圧 頭痛
・加味逍遥散 更年期
<耳鳴に対する漢方学的アプローチ>
・水滞:体液(内耳・内リンパ)が偏在した状態
⇒利水剤(五苓散、苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯、真武湯)
・於血:血液が停滞して起こる諸種の病的状態
⇒駆於血剤(桃核承気湯、通導散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、当帰芍薬散)
・腎虚:『腎』の機能が衰えている状態
⇒補腎剤(六味丸、牛車腎気丸、八味地黄丸)
・肝の失調:自律神経の過緊張や過亢進の状態
⇒柴胡剤等(柴胡剤、加味逍遥散、釣藤散、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏)
・気鬱:耳鳴により抑うつ状態に陥っている状態
⇒香蘇散、半夏厚朴湯、各種柴胡剤
<水滞>
苓桂朮甘湯を処方する頻度が高いが、
胃腸虚弱 ⇒ 半夏白朮天麻湯
冷えが強い ⇒ 真武湯
ヒント
胖大舌
雨天(低気圧)によって体調を崩す
<於血>
ヒント
舌の瘀斑、舌下静脈の怒張、臍傍部の圧痛・硬結の触知
<腎虚>
加齢などにより『腎』の機能が落ちている状態
糖尿病や甲状腺機能低下症など内分泌機能低下
慢性病や生活不摂生など様々な要因による消耗によっても生じる
ヒント
小腹不仁
牛車腎気丸を推奨するが、のぼせがある場合は六味丸
<肝の失調>
自律神経の過緊張や過亢進の状態
問診、胸脇苦満
ストレス、イライラ
<気鬱>
耳鳴により抑うつ状態に陥っている状態
問診が重要