本:バイナリ畑でつかまえて(コミック)

『バイナリ畑でつかまえて』 山田胡瓜 著、アスペクト社

今回はコミックの紹介。bainari
紹介したいコミックは他にもたくさんあるのですが、
今回は、たまたま最近読んだ手元のこの1冊をご紹介。

webサイトで電子版として掲載されていたものに
手を加えて書籍化されたものだそうですが、
僕はwebでは全く見たことがなく、
本屋さんで手にとって面白そうだったので買いました。

中身は、現代から、ちょっと近未来くらいの設定で、
高度に発達したITを題材に、
2~30頁程度の1話完結のストーリーが展開されます。

そこには、良くも悪くも新しいテクノロジーによってもたらせる
人間の生活の一コマが描かれていて、
ちょっとシニカルなものから、コミカルな話、
ちょっと泣けるような話などが入っています。

あまり書いてしまうとネタバレになってしまうのでいけないのですが・・・

program14 そして誰かいなくなった。
最近ではtwitterやfacebookなどで昔の友達が、
今どうしてるかとか手にとる様にわかる時代になりました。
でも、ふと盲点になってることがあるんです・・・
これは確かにそう思うことがあります。

program17 コノ、オオゾラニ
夏のひととき、海水浴で賑わう浜辺に1台のドローンが出没します。
水着の女性などを撮影していましたが、
人に気づかれると飛び去ってしまいます。
飛び去ったドローンが戻った場所は・・・

programs<B> バイナリ畑でつかまえて
大学生を中心にあるプロジェクトが進んでいた。
一人の人間の行動すべてを記録して、人口知能(AI)と連動させる。
そうすれば、データが集積すればするほど、
そのAIを組み込んだロボットは限りなくその人間に近づくのだろうか・・・

他にも題材としては、
Googleストリートビュー、Dropbox、ネットカフェ、
コンピュータ将棋などなど。
ちょっと切ない話もあって、あとでじんわり来ます。

題名『バイナリ畑でつかまえて』ですが、
サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を連想させますが、
実際のところはどうなんでしょう?

『ライ麦・・・』は青春文学の古典的名作とされていますが、
昔、確か南沙織さんが自分の本の中で、
これを読んですごく良かったと書いてあったので、
当時ファンだった僕も買って読もうとしたのですが、
最初の数ページで、僕にはどうしても読み続けられず
挫折してしまったことだけは覚えています。