もう少しだけ、大学の授業の話を。
・・・と言っても、
この調子ですべての基礎医学と臨床医学の授業について話を
書いていこうと思っているわけではありませんのでご安心を。
あくまで印象に残っているものを書いています。
次は生理学。
生理学とは人間の身体の仕組みの学問です。
生理学の授業は2つの講座があり、いろいろな先生から講義を受けました。
時に印象に残っているのが、S先生。
初めての講義の時に黒板に
いきなり大きな字で「インスリン」と書き出されました。
インスリンじゃなくてインシュリンじゃないの?
なんて思いながら写していると、結局あとは話すだけ。
どうも項目だけを板書される様なのです。
ちなみに、インスリンかインシュリンかというのは、
ネットで調べてみようとしたら、既に質問されている方がいました。
気になることは誰でも気になるもんなんだ。
まあ、結局どっちでもいいのですけど、
最近はインスリンに統一される傾向にある様ですね。
もう一つ生理学の授業で印象に残っているのがI先生の授業。
授業自体は、正直言ってほとんど教科書に書いてあることで、
わざわざ授業に出なくてもいいな、なんて考えながら、
結局、授業すっぽかすだけの勇気はなくて、
階段教室の一番後ろの席で、ぼんやり授業を聞いていました。
そんな生理学の授業の最後の方の授業だったと思います。
内容は聴覚生理。
この時期まだ耳鼻咽喉科の医師になろうとは全く考えていなかったので、
他の身体の器官の説明と同じ様に、ボーっと授業を聴いていました。
ちょうど内耳の有毛細胞を説明された時でした。
「皆さん、ヘッドホンで音楽などよく聞かれると思いますが、
あまり大きな音で聞かないようにした方がいいですよ。
この有毛細胞がダメージをうけてボロボロになってしまいます。
皆さんは医師になったあと、聴診器を使うことになると思いますが、
有毛細胞がボロボロだと、ちゃんと聴診できなくなりますよ。」
それまで、何となくボーっと聞いていた授業でしたが、
この時は先生の生の声を聞いた気がして今でも記憶に残っています。
この話を聞けただけでもこの授業に出ていてよかったなと思いました。
——————————
基礎医学では、他に印象に残っているのは、
寄生虫学、免疫学、公衆衛生学といったところかなぁ。
寄生虫学は、基礎医学ではありますが、
比較的臨床に直結するような気していたので気合いが入りました。
お蔭さまで、その時のテストが結構よかったので、
「寄生虫の板谷」というちょっとありがたくない名前をいただいたことは、
以前お話しました。
この寄生虫学では、もう一つ印象に残っていることがあります。
顕微鏡で、糞便の中の寄生虫の卵を探す実習の時のことです。
教授がスライドの中の虫卵を探しながら、説明をしてくださるのですが、
そのスピードの速いこと速いこと!
次から次へと見える画面は流れていき、たまに止まると、
「ほら、ここにあるでしょ!」と言われます。
一瞬しか静止しないので、僕の目では全然追えません。
はぁ~、これがプロなのか!
と、変なところで感心したのを覚えています。
長くなってきたので今日はこの辺で。