昨日は前ふりだけで終わってしまいました。
要は耳鳴りをよくするには、
自律神経を副交感神経優位にもっていく必要があるということ。
それには呼吸による介入が有効であるということ。
古来、ヨガや太極拳、あるいは日本の武道などは、
呼吸を大切にしてきました。
昔の人は自律神経という概念は持っていませんでしたが、
肝要なところは体験的に知っていたわけです。
さて、この本の著者、石井正則先生は、
僕でも名前と顔を知っています。
(お話ししたことはありませんが)
まあ、有名な先生、偉い先生だからと言って、
話を鵜呑みにしてはいけませんが、
さすが、長い間大学病院等で研究をされていた先生です。
ただ、効いた!効いた!と羅列するのではなく、
呼吸法をやった際の
脳波や自律神経の数値の実際のグラフを示したり、
何人中、何人の人に効果があったというふうに
記載をされています。
さて、石井先生の推奨される呼吸法ですが、
先生自身がヨガのインストラクターもされているとのことで、
具体的に図も入れてわかりやすく書いてあります。
まあ、ヨガ独特の呼吸法(3・3・6のクンバカ呼吸法)は、
なかなか意識せずにできるようになるのは難しそうですが、
普通の腹式呼吸でも十分効果があるのではないかと思えます。
また、首のこりをとるという、
第2頸髄刺激呼吸法(C2呼吸法)というのは、
聞きなれないもので、面白そうだなと思いました。
この呼吸法は、ちょうど昨年たまたま出席した、
アーユルヴェーダ学会でも類似の方法を見ました。
ひょっとして、インドではよくやられているものなのでしょうか。
もうひとつ、ユニークなのが、「ハチの羽音呼吸法」。
特に耳閉感と低音の耳鳴りに有効だとか。
低い音の耳鳴りと耳閉感で困っている患者さんは結構いらっしゃいます。
こうした呼吸法で症状がよくなるなら本当に助かります。
今後追試が必要ですが、
効く人が多ければ、そして有害な事象がなければ、
積極的にすすめてみたいなと思います。