熱中症1

先週、先々週は「冷え」について書きました。
冷房を掛けるようになって、
意外に冷える人が多いだろうと思ってのことでした。

けれども、やっぱり夏です。
熱中症についても書いていく必要がありますね。
というか、すでに熱中症で救急搬送された人が多数あるとか。
暑い時期、暑さにも十分気をつけなければなりませんね。

なんとなく記憶は曖昧ですが、
僕の小さな頃は、「熱中症」とは言っていなかった様な・・・
「熱射病」とか「日射病」と言っていた様に思います。

ちょっと調べてみますと、
昔、熱痙攣・熱失神、熱疲労、熱射病と呼ばれていたものを、
統合して熱中症とし、
それぞれ、I度(軽症)、II度(中等症)、III度(重症)
と分類したわけですね。
なるほど。

まあ、最近はインターネットで探せば、
このような熱中症についての情報もすぐにひかかってきます。
熱中症の予防や対策もしっかり書いてあります。
ここでは、日本救急医学会編 熱中症診療ガイドライン2015より。

<疫学>
※発症数は梅雨明け後の7月中旬から8月上旬にかけてピーク

※発症時は12時および15時前後の日中が多いが、
気温が低くても湿度が高かったり、日射が強い、
暑さへの順化が十分でない場合に発症しやすい。

※2013年6~9月に全国で約40万8,000人が熱中症と診断
⇒そのうち8.7%が入院。
⇒診断を受けた人の0.13%が死亡(入院者の1.6%)

※発症者の45%は65歳以上だが、
スポーツ中の若年や労働中の中年もあり。
運動時:約3割は2時間を越える運動で発症

※高齢者、持病があると重症化しやすい。
:精神疾患、高血圧、糖尿病、認知症

※エアコンの未使用者、非設置者の重症度は高い

<症状>
※I度(軽症):
めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛
筋肉の硬直(こむら返り)、意識障害を認めない
⇒通常は現場で対応可能
:冷所安静、体表冷却、十分な水分とNaの補給

※II度(中等症):
頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力・判断力の低下
⇒医療機関へ
:体温管理、安静、十分な水分とNa補給
:経口摂取が困難な時は点滴

※III度(重症):
下記のうちいずれかを含む
・中枢神経症状(意識障害、小脳症状、痙攣発作)
・肝・腎機能障害
・血液凝固機能異常(急性期DIC)
⇒入院加療(場合により集中治療)
:体温管理(体表冷却、体内冷却、血管内冷却)、呼吸・循環管理、DIC治療