『俺たちの国芳 わたしの国貞』

骸骨3先日の日曜日、神戸私立博物館で現在やっている、
『ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞』
という展覧会を観てきました。
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/tokuten/2016_2kunikuni.html

このホームページによると、
ボストン美術館には訳10万点もの日本美術コレクションがあるそうです。
今回はそのコレクションの中から、
歌川国芳と歌川国貞による錦絵170件を選んで展示してあるそうです。

今回観に行って、まず驚いたのが、
フラッシュ・三脚なしならカメラOKだとのこと。
どんどんSNSにアップしてください!とのことでした。

パリのルーブル美術館ではカメラOKで、
モナリザとかバンバン写真に撮りましたが、
日本の展覧会で写真OKというのは、僕はほとんど記憶にありません。
(一度世界報道写真展でOKだったのは覚えていますが)

まあ、そんなわけで、
今回は僕が撮った国芳やら国貞の絵を見ていただこうと思います。
実際の色合いは、もう少しくすんだ感じなのですが、
パソコンのソフトで補正してみたら、少し鮮やかになりました。
絵が世に出た頃はこんな感じだったのじゃないかなと思えるので、
補正後の写真をアップしています。
(絵をクリックすると大きくなります。)

それにしても、これらの作品が
ボストン美術館の日本美術のごく一部だなんて・・・

8月28日までやってます。
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上の絵は平将門の姫君(左)を守ろうとする新井丸(右)を
源頼信の家臣がねじ伏せた時に現れた骸骨の妖怪が襲いかかる図。
すごく漫画チックです。

化け猫
これは、東海道五十三次「岡部」の宿場にでると言う化け猫の話。
歌舞伎にもなっていたらしく、
中央の猫耳の老婆を三代目尾上菊五郎が演じていたらしい。
あんどんには猫の姿が映っていて、背後に大きな化け猫が!
両脇に尻尾が2つに分かれた猫が踊っています。
(猫又と言うそうです。)

大鯉とカラス天狗2
お次は 保元の乱で源為朝が活躍する
『椿説弓張月』という伝奇小説の一場面。
暴風雨で難破して海に放り出された為朝を、
大きな鯉みたいな魚(鰐鮫)とカラス天狗が助け出すという図。

幽霊

これは、木曽街道六十九次という
企画ものの中の
『妻籠(つまご)』という作品。
人形浄瑠璃や歌舞伎にも
なっているそうです。

宮中の後継者争いで
婚約者を亡くした安部保名が、
正気を失って
信田の森をさまよっていた。

そこに、助けた白狐が
婚約者の妹(葛葉姫)に
化けてあらわれて、
安部保名の狂気を癒やしたという。

狐と知らない保名は葛葉姫と夫婦になり男児をもうける。
その子が5歳になった時に、狐であることがばれてしまい、
泣く泣く信田の森に帰っていく場面。

「妻が籠もる」からその地は「妻籠」と言われるようになったらしい。
可愛い我が子を置いて去ろうとする哀しい場面。
左の透けた女性の背後に悲しむ狐の姿が見えます。
残された男児は後に陰陽師の安倍晴明になったのだそうだ。

この絵を観たときは単に幽霊の絵かと思っていたのですが、
ちょっと気になって写真に撮っておいて、
家に帰ってから図録をみたら上のような物語りでした。

その他、虎退治
水滸伝や南総里見八犬伝をはじめとする
ヒーローものなどもあります。
左の絵は虎退治。
迫力ありますね。

 

 

 

 

 

 

猫の骸骨
これも有名らしいです。
骸骨ガラの着物を着ていますが、
よく見ると、
骸骨はネコが寄せ集まったものです。
国芳の作品にはネコが
たびたび登場します。

続きは明日。