先週の水曜日、大阪あべのハルカスで開催されている、
ピカソ展 『ピカソ、天才の秘密』
http://www.aham.jp/exhibition/future/picasso/
を観に行ってきました。
夜8時までやっていることもあり、平日なこともあって、
全く混雑なく、ゆっくり見ることができました。
ピカソはほとんど誰でも知っている有名な画家です。
僕も過去に彼の作品を幾度となく見たことがあります。
もともと、ピカソは子どもの頃から絵を描く能力はすごかったらしく、
ピカソの父親も画家だったそうですが、
ピカソが幼い時に描いた絵を見て、
才能の違いを悟って絵を描くことをやめてしまったそうな。
ちょっと記憶があやふやですが、
バルセロナのピカソ美術館だったかで、
ピカソが5歳頃に描いたという、
木切れか何かに描いた絵を見た覚えがあります。
この絵、そんじょそこらの5歳児が描くお絵かきとはあきらかに違っていて、
もうこのときから天才の片鱗をみることができました。
また、同じくピカソ美術館には、
15歳(14歳という説も)の時に
描いたとされる『初聖体拝領』や、
さらに
16歳(同じく15歳?)の時に描いた
『科学と慈愛』という作品もありますが、これまたすごい。
この年齢で、こんな作品を描いていたなんて!
一般的によく知られているピカソの絵というと、
子どもの描いた絵のようなわけのわからない感じの絵が多いのですが、
あれは試行錯誤した結果であり、
もともとはきちんと写実的な絵を描く力があったんですね。
そういうことは、上の絵を見るまで知りませんでした。
さて、そういう観点からみると、
『ピカソ、天才の秘密』を語るには、
上のような作品もラインナップに欲しいところですが・・・
まあ、今回の展覧会は「青の時代」と「バラ色の時代」に
焦点を当てたものの様なのでしかたがないのですが。
中々これらの作品が日本にまでくることはないよな~
と思っていたら、ネットで調べてみると、
『初聖体拝領』は2002年に一度上野の森美術館に来ているのですね。
これは見逃していました。
というか、たまたまバルセロナで見たので
今だからこんなことが言えますが
それまでは全く知りませんでした。
いずれにせよ、ピカソは若い時からすごかった様です。
まあ、それは今回の展覧会の作品からでも、
ある程度はよくわかります。
それでも、作品を時代順に眺めていくと、
若い時の作品は、作風がロートレックっぽかったり、
色彩がマチスっぽいかなとか、
ルオーやゴッホなどの影響を受けているのかなとか、
(間違ってるかもしれませんが)
そうした印象があり、
色々と自分なりのスタイルを模索しているのがわかります。
そういうわけで、
若い時の作品はピカソらしい個性はまだ前面には出ていませんが、
面白かったのは、漫画的な発想の作品も多かったこと。
「宝石」という作品ですが、
ウインドウに陳列されている宝石をみる女性の姿が描かれているのですが、
宝石に虜にされている姿を、
宝石から手が出てきて、女性の腕をつかむことで表現しています。
現代の我々からしたら、
漫画なんかでこんな表現はたくさん見ているので、
それほど目新しいものではないかもしれませんが、
ピカソがこうした表現を1900年頃に描いたというのは
やはりすごいことだったろうなと思います。
また、「ANTES(ビフォー)」「DESPUES(アフター)」
という2対の絵も面白い。
公務員に採用される前とされた後の男性の姿を描いたものなのですが、
チャチャっと描いたような絵なのに、
ビフォーはもっさい感じで、アフターはこざっぱりとした感じが
うまく描かれていて感心してしまいます。
ピカソの晩年の作品でも、
風変わりな絵とは別に、
ササッと走り書きで描いたような絵がありますが、
やはり物の本質をみて書き取る才能というのは
若い時代からあったんだなというのがわかります。
さて、このあと、「青の時代」「バラ色の時代」・・・と続くのですが、
続きは明日にします。