日本耳鼻咽喉科学会総会 in 名古屋2

ポスター演題について
自分の興味あるものだけのピックアップです。

・血痰を主訴で受診⇒精査で胸部大動脈瘤がみつかった症例(吉福)
<怖!そんなこともあるんだ。>

・急性喉頭蓋炎と扁桃周囲膿瘍(大堀)
喉頭蓋の腫脹が軽微でも披裂部に浮腫がみられる場合は
扁桃周囲膿瘍合併を疑う。

・扁桃炎起炎菌と薬剤耐性(高橋)
キノロン耐性菌が多い。SBT/ABPCを第一選択にすべき。
<僕も以前より経験的に、
扁桃炎にはニューキノロンは向かないと思っていました。
僕はやや高濃度のセフェム+小柴胡湯加桔梗石膏を好んで使いますが、
やっぱり基本はペニシリン系ですかね。>

・顔面神経鞘腫が疑われたIgG4関連疾患の一例(三好)
<IgG4関連疾患って、症状が多彩で今ひとつイメージがわきません。
今後ルーチンで血液検査に入れてもいいかもね。>

・頸部リンパ節炎に対する小柴胡湯の効果(陣内)
<漢方好きなら頸部リンパ節炎に小柴胡湯は、
すぐに思いつく処方ではありますが、
こうしてエビデンスを報告していただけると自信を持って使えます。>

・耳鼻咽喉科とデノボ肝炎(八木)
免疫抑制作用のある薬剤でHBVが再活性化し劇症化するということで、
近年HBc抗体も測定する必要があると言われるようになりました。
<これをデノボ肝炎というんですね。名前は知りませんでした。>

・耳鼻咽喉科外来における睡眠薬・抗不安薬の使用状況調査(菊池)
最近ベンゾジアゼピン系が依存性・耐性の問題から注意喚起が盛ん。
果たしてそんなに危険なのか?という観点でアンケート。
非ベンゾ系のベルソムラは抗不安作用がないので、
不安を伴う不眠には向いていないとのこと。
<なるほど>

・外耳道真珠腫進行例の保存的加療(山田)
適切なタイミングで適切な点耳薬を使用して、
徹底的な清掃と耳浴で治療可能

・非音響性のあぶみ骨筋反射と外リンパ瘻(永井)
外耳道刺激だけでもアブ期骨筋反射が生じ、外リンパ瘻が生じる?
毎日耳掃除する人でめまいや突発性難聴になる人がいるらしい。
耳掃除を2週間禁止することで症状が消失する人がいるらしい。
<これは初めて聞きました該当しそうな人には聞いてみよう。>

・問診票を用いたあらたな重症耳管開放症診断について(池田)
耳鳴にTHIがある様に、
耳管開放症でも重症度を判断する指標をつくりましょう。
PHI10項目で評価。
<これはいいかも>

・小児に発症したコレステリン肉芽腫2症例(岡田)
いずれも青色鼓膜等なく、伝音性難聴のみで、CTで発見。
<鼓膜正常で伝音性難聴がある場合は注意が必要>

・顔面神経麻痺の予後予測因子(石川)
特発性:年齢(65歳)・好中球リンパ球比(2.74)・SR消失
⇒3つそろうと治癒↓
ハント:年齢(65歳),単球(5.9%),MCV(94fl),血小板数(20.5万)
⇒4つ以上そろうと治癒率33%まで↓
<こういう時は要注意ということですね>

・NRF2遺伝子のプロモーター領域に存在するrs6721961のG⇒Tで、
強大音響暴露で4000Hzの聴力閾値が上昇(水足)
<うーん、難しい!>

・機能性難聴の検討(三浦)
JegerV型は75%、SISIはすべて陰性
会話の状況と聴力検査が矛盾、ABgap大、皿形聴力像(水平型も多い)、
両側性突発性難聴、理由もなくPTAが変化

・職業性鼻炎(扇)
職業性鼻炎:職場でのみおこる鼻炎。免疫型と刺激誘導型が存在。
高分子量物質=動植物由来の糖タンパク
⇒免疫型(IgE依存性)で感作で発症。
低分子量物質=多くは刺激誘導型
⇒神経原性炎症で初回でも発症。
<PM2.5もこれですね>

・好酸球性副鼻腔炎における凝固系(清水)
好酸球性副鼻腔炎では鼻粘膜局所で凝固系が活性化され、
上皮細胞だけでなく線維芽細胞にも作用。
⇒鼻茸形成
活性化凝固因子を介した炎症反応の制御が
新たな治療戦略につながる可能性。
<ヘパリンの点鼻ってどこかで効いたことがあるような・・・>

・Miller-Fisher症候群(藤原)
Guillain-Barre症候群の亜型。
外眼筋麻痺(複視)、運動失調(ふらつき)・腱反射消失が3主徴。
80%の患者で先行感染(上気道炎が約80%)。

・video Head Impulse TestとVEMPを用いた前庭神経炎の障害部位の検討(阿久津)
前庭神経炎は温度刺激検査、VEMP、vHITを施行すると、
全前庭神経炎、上前庭神経炎、下前庭神経炎、膨大部神経炎に
分類することができる。

・突発性難聴2次治療としての高気圧酸素療法の治療効果(塚原)
自院1次治療後のHBO治療群と、他院1次治療後のHBO治療群、
HBO非施行群の間に有意差は認めなかった。
<あんまり、有効ではないということですなぁ。
僕も印象としてはあまりすごく効いたなと思ったことはありません。>

・補聴器を中心とした耳鳴治療の適応と治療成績(大石)
約70%に有効。特に会話領域の聴力低下がみられる患者で有効。
苦痛℃の低い患者でも有効な知慮法である可能性。
無効例もあり。耳鳴り消失させる治療法ではない。