学会発表/自律神経検査

昨日は、名古屋の学会に行ってポスターではありましたが、
小さな発表をしてきました。
大きな学会での発表は、開業後したことがなかったので、
実に18年ぶりくらいで、いやぁ~、さすがに緊張しました。

大した発表ではないと思っていても、
その道に精通した人もいらっしゃいますので、
どんなつっこみがくるだろうかと思うと、
発表直前は手に汗をしっかりかいて、心臓はドキドキで、
自律神経の検査したらさそかし面白い結果がでたことだと思います。

結果はというと・・・
緊張して、発表でのペース配分がわからず、長々としゃべってしまい、
肝心の質疑応答の時間がなくなってしまいました。
まあ、それでも、ポスター演題ですので、
発表前後でいろいろな先生に意見をいただくことができ、
今後の参考になりました。

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さて、昨日の続きです。

「自律神経失調症」と言われたとき、
交感神経・副交感神経のどちらが、どのように失調しているのか?

これを調べる検査は、実は主に1970年代から報告されています。
なかでも心臓の働きや血圧と自律神経との関係は、
古くから報告があります。

その中でも、、1973年Wheeler博士らが、
心電図で心臓の拍動(心拍変動)の変化の度合いが
糖尿病患者では減少することを
報告されたことがはじまりの様です。
(もっと探せば、それより前の報告があるかもしれませんが)

その後、いろいろな検査法が開発されてきました。
中でも、自律神経の働きを遮断する薬を投与することで、
身体の状態を測定する方法は、
正確な自律神経の状態を知る上で有用な方法です。

交感神経の働きをブロックして生じた変化で交感神経の働き具合を、
副交感神経をブロックする薬で生じた変化で副交感神経の働き具合を、
それぞれ調べることができます。
でも、これって、結構怖いですよね。
自律神経の働きを止めるのですから。
大きな病院で気分が悪くなってもきちんと対応できるようにしておいて
検査をする必要があります。

その他、仰向けで安静に寝ていた状態から、
立ち上がった時に、血圧や心拍数の変化をみる検査もあります。

大きな台に寝かせて、機械的に態勢を変えて行うのが、
Head-up tilt試験と呼ばれるものです。

患者さんに自分で立ち上がってもらう検査もあります。
それがSchellong検査と呼ばれるものです。

これらの検査で、起立性低血圧の有無や程度をみることができますが、
10分ほどじっと立ちっぱなしになってもらうもので、
症状が強い人はこれでも気分がわるくなって倒れる場合があります。
(小学校などで朝礼で気分が悪くなる様なタイプかもしれません。)

他に氷水に手をつけて回復をみる検査や、
サーモグラフィーと呼ばれる体温を視覚的にみる検査などもあります。
いずれにしても、患者さんへの負担が大きいか、
手間ひまがかかる検査が多く、
あまり日常気軽にできる検査ではありません。

そこで、最近のコンピュータの発達に伴い、
どんどん進化してきたのが、
最初にお話した心拍変動を計測して自律神経の状態を把握する方法です。

最近は指先や皮膚の血流の変化で計測することもできるみたいで、
簡単なものは、iPhoneのアプリにもありますね。
カメラの部分に指先をあてると心拍が計れるみたいで、
これで心拍変動を計って、リラックス度をみる様です。
ただ、指先での心拍変動は精度の点でやや問題があり、
医療で検査に用いるには力不足なんじゃないかと思います。