もう一つ別の写真展。
須田卓馬 写真展 Fereshteh -13years in Iran-
(銀座 ソニーイメージングギャラリー)
http://www.sony.co.jp/united/imaging/gallery/detail/160429b/
この写真展のことは全く知らず、
たまたまソニービルに立ち寄ったらやっていたので観たのですが、
写真集まで買ってしまいました。
「Fereshteh」とは、
須田氏がイランに通いながら13年間撮り続けた、
アフガニスタン難民の少女の名前。
須田氏がバックパッカーとして世界中を旅していた時に、
イランで7歳のファラシュテに出会います。
彼女は、路上で通りがかりの人から
体重計で体重を計測した見返りとしてお金を得る
という労働をしています。
その客待ちの間、
カフェから漏れてくる光で勉強している姿が可愛くも気品があり、
須田氏は、その姿をカメラに納め、
さらに、数年に一度イランを訪れては、
少女の成長を撮り続けてこられました。
最初は、お父さんからも警戒されたりしながらも、
ずっと記録を続けていくうちに、家族にも受け入れらて、
日常の生活の風景も撮らせてもらったそうです。
そして、13年後ファラシュテは成績優秀なこともあって、
国からお金をもらって大学に進学していました。
少女が徐々に大人の女性になっていく姿を見ながら、
時間の流れを感じるとともに、
思春期の大人と子ども間の心の揺れのようなものや、さらには
この少女の一本芯の通ったような力強さまで感じ取ることができる写真でした。
先日のブータンを焼き付けた井津建郎氏もまた、
同じ場所に何度も何度も足を通い、
その土地の人間と交流をしながら、
その文化や人間を映し出すのですが、
このファラシュテの写真は時間というものを感じるのに対して、
井津氏の写真は、時間を越えたものを感じます。
今回、2つの全く違った写真展を観ることができたのは幸運でした。
写真って面白いなと思います。