耳鳴りに関するちょっとした記事があったので載せておきます。
現在耳鳴治療で最も効果的と言われている
Tinnitus Retraining Therapy (TRT),療法の生みの親、
Pawel J. Jastreboff博士へのインタビューの記事です。
適当に意訳しているところも多々あります。
ご興味を持たれた方は、原文で確認してください。
そして、ここ間違ってる!という所はご指摘ください。
元の記事:
Audiology-Worldnews 2016.1.28
‘We cannot do anything about your tinnitus’. This is simply not true
http://www.audiology-worldnews.com/focus-on/1547-we-cannot-do-anything-about-your-tinnitus-this-is-simply-not-true?showall=&limitstart=
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Tinnitus Retraining Therapy (TRT),療法の生みの親、Pawel J. Jastreboff博士は言う。
耳鳴りの患者さんに、「我々は何もしてあげられることがない」と思わせることが最大の間違いです。
スペインで開かれた「耳鳴りと補聴器を用いたその治療会議」で博士に雑誌Audio infoの編集者がインタビューを行った。
Jastreboff博士(以下博士):
脳の働きについて患者さんに理解してもらうために、私はこういう例をお話します。
今、ニュージーランドに行って右ハンドルの車を運転することを想像してみてください(Jastreboff博士の国(アメリカ)は左ハンドル)。乗り始めた当初は、あなたが充分注意して運転したとしても、危険な運転であることは分かりますね。それは、左ハンドルに慣れたあなたの無意識を、うまくコントロールすることができないからです。しかし、しばらく運転していると車の運転が上手になっていきます。
耳鳴りの問題も似たようなものなんです。聴覚システムと大脳辺縁系という違いはありますが。
TRT療法は聴覚システムとその他の脳の間の関係を制限し、他の部分に情報が拡散することを抑えることによって脳を再教育させるものなのです。
Audio info(A.I.):このモデルはどの様にして構築されたのですか?
博士:全くの偶然です。もともと私は耳と平衡、小脳について研究をしていましたが、1年間エール大学で嗅覚のメカニズムについて学んでいる時でした。若い研究員が私に、耳鳴りを改善する動物モデルの研究をデザインするアドバイスを求めてきました。私は思いました。それは不可能だと。耳鳴りは人間においても客観的な事実を見いだせないでいるのですから、ラットではなおさらだと思ったわけです。それは難しいのじゃないかなと彼には言ったのですが、彼は「ここにお金も、実験室もある。やってみましょう!」と。そこで私も始めたわけです。
A.I.:まず最初に行ったことは、耳鳴りの世界を掘り下げること。
博士:私は耳鳴りについて何も知りませんでした。私の祖母も耳鳴りに苦しんでいたにもかかわらず。彼女はいつも耳鳴りについて不平を言っていました。私は耳鳴りの研究を始めるにあたって、多くの文献を読みました。私が読んだ耳鳴りに関する情報は非常にあいまいなものでしたが、一つの共通する考え方がありました。それは耳鳴りは耳と聴神経に由来するというものでした。
私はこのことが間違いであると思いました。耳鳴りの原因を見つけるためには耳ではなく脳を研究しなければいけないと。
私は実用的なモデルをデザインしました。これが現在TRTとして知られるものです。私はこの分野では有名なロンドンに住む専門家Hazell博士と議論しました。その結果、私はアメリカで耳鳴りの治療を行うセンターを開設することになりました。今では2000人以上の改善できた患者さんがいらっしゃいます。
以下、次回に続く