早めに薬を用意しておきましょうと昨日書きました。
では、いつから薬を飲み始めたらいいのでしょうか?
悩むところです。
症状はその人その人によって感度が違うようですが、
おおまかにいくつかのグループにわけることができる様に思います。
花粉量がごくわずかで、まだ飛散開始日を迎えていなくても、
症状が出だす、超敏感グループ。
花粉量の増加に伴い徐々に症状がでる一般的なグループ。
花粉量が増加してくると、急にとんでもなくひどくなる急上昇グループ。
飛散量がかなり飛んだ時だけ反応するゆっくりグループなど。
花粉症の治療や予防は、
この症状の出方によって多少変わってくるかもしれません。
(ここでは、主に内服薬による治療等について考えています。
減感作療法・舌下免疫療法、手術による治療は含みません。)
超敏感グループは、1月の終わりに薬を用意しておいて、
初観測頃から、もしくは、むずむずし出したらすぐに薬を服用。
一般的なグループは2月上旬から中旬には薬を用意しておいて、
飛散開始日頃から、もしくは、ちょっとでも症状が出だしたら薬を服用。
急上昇グループは2月上旬には薬を用意しておいて、
飛散開始頃から、もしくは、ちょっとでも症状が出だしたら薬を服用、
ひどくなった時の追加の薬、あるいは頓服薬も準備しておく。
ゆっくりグループは、薬は前もって用意しておくとして、
花粉情報に充分注意しながら様子をみて、
花粉が「多い」になったら薬を開始。
といった
ところでしょうか。
いずれにしても、早めに薬が飲める状態にしておきましょう。
患者さんの中には、
「ずっと我慢してたけど、もう我慢できなくなって来ました!」
という方が結構いらっしゃいます。
気持ちはよくわかるのですが・・・
症状がひどくなってからの薬の服用は、
なかなか薬が効かなかったり、
強い薬から始めないと効果がでなかったりします。
アレルギーの薬の効果的な使い方について僕は、
回転する車輪にブレーキを掛けるイメージをお話しています。
つまり、
症状が車輪の回転なわけです。
症状が軽い時は低速で回転し、
症状がひどい時は高速に回転している状態です。
だとすれば、低速で回転する車輪の回転を止めるには、
軽いブレーキでも止まりますが、
高速で回転する車輪の回転を止めようとするには、
長くブレーキを踏み続けるか、複数のブレーキを用いるか、
強力なブレーキが必要です。
軽いブレーキというのは、比較的軽い抗アレルギー剤です。
強力なブレーキというのは、強い作用の抗アレルギー剤や、
複数の抗アレルギー剤を併用、あるいは、
それでも車輪の回転が止められなければ(症状が止められなければ)、
ステロイドの様な強い薬を用いなければならなくなります。
ですから、症状が軽い間に軽い薬で症状を止めていく方が、
結果的には身体に対する負担は少なくてすむと思われます。
もちろん、花粉症の場合は花粉の飛ぶ量にも左右されますので、
それだけでは決まらない部分もあるにはあるのですが、
基本的な考え方は、「早期にと止める」ということだと思います。