ルーの法則

先日、保健体育の試験の話をちらっとしました。
それで思い出しました、ルーの法則について。

中学だったか、高校だったか、覚えていないのですが、
初っ端の試験で、出題された問題だったと思います。

保健体育は主要教科ではないとはいえ、
そこは手をぬかない(?)若き日の板谷少年。
多分一夜漬けだったかもしれませんが、
それなりに頑張って勉強して試験に臨みました。

試験用紙を見て、目が点になりました。

『ルーの法則について述べよ。』

???
試験の時にはあまり「ヤマ」を張らない勉強法だったのですが、
これは、全くノーマーク。
全くわかりません。
みごとにハズした問題でした。

そうして、次の期末試験。
出題された問題を見て、再び目が点になりました。

『ルーの法則について述べよ。』

えっ?
まさか、またおんなじ問題が出るなんて!
試験範囲が違うはずじゃぁ・・・
あんなに出題にインパクトのあった問題だったのに、
きちんと解答を確認していなかったのでした。
当然そこの部分の点数は0点。

やられたなぁ~。
というのが印象のすべてでした。
逆にそれだけのインパクトを与えた問題だったので、
さすがに今でもよく覚えています。

さて、『ルーの法則』ですが、

1)身体の機能は使用しなければ衰える
2)身体の機能は使いすぎると障害される
3)身体の機能は適度に使用すれば増強することができる

こんな感じのものだったと思います。
実にたわいのない当たり前のような法則です。
でも、今にして思えば、中々含蓄のある文章だと言えます。

スポーツの世界でも、無理な身体の使い方で故障して、
そのまま引退せざるおえなかった人もたくさんいらっしゃいます。
逆に、最近ではロコモティヴシンドロームという疾患概念が
整形外科領域より提唱されていますが、
要は足腰が弱ってこけやすくなったりして、
最終的には要介護になったり寝たきりになってしまう状態です。
その原因の一つは、運動不足による筋肉の衰えです。

一方耳鼻咽喉科領域ではどうでしょうか?
老年性難聴の中で、遺伝子的要素を除外したものは、
多くがあてはまるかもしれません。

今では音楽をヘッドホンやイヤホンで聴くのは当たり前ですが、
若い人では大音量で効いている人も少なからずいます。
こうした人達が、将来年齢よりも早く
老年性難聴として出現してくるかもしれません。

老年性難聴、つまり歳をとって聴こえにくくなる場合、
高音から徐々にきこえにくくなってきます。

内耳には有毛細胞という音を電気信号に変える細胞があります。
これは、音の周波数分だけ振動しています。
人間の聴力は、小さい頃には20Hz~20000Hzの音を
効くことができるといわれています。
20Hzは1秒間に20回の振動、
20000Hzは1秒間に20000回、
細胞が振動しているわけです。

ですので、高音の方を担当している細胞の方が、
動きが激しいため、早くへたってしまいます。
老年性難聴が高音から徐々に聞こえなくなってくるのは、
聴こえの細胞がへたった結果なのです。

音楽で、自分の好きな音楽であったとしても、
あまりに大音響で聴いていると有毛細胞が
早くへたってくるだろうということは容易に考えられます。