普段花粉症の時期に来院される患者さんが、
「先生、何か飛んでますか?」
と言いつつ受診される方がぽつぽついらっしゃいます。
本来スギ花粉が飛ぶにはまだ早い時期です。
「何だろうね?」
なんて言いながら、抗アレルギー剤を処方していましたが、
昨日は、
「これは、来てます!絶対来てます!」
と言いながら診察室に入ってくる患者さんがいらっしゃいました。
いや、まだいくら何でも早いと思うよ。
そう言いいましたが、その人の鼻の方が正しそうです。
毎年、スギ花粉には苦しめられていらっしゃいますので、
おそらく花粉数個吸い込むだけで身体が反応するのでしょう。
花粉飛散開始日というのが決められています。
これは、花粉を調べる器械で、
1平方センチメートルあたりの花粉数が
2日連続して1個以上になった最初の日を言います。
ですから、それより薄い濃度で飛んでいる場合は、
飛散が開始しているとは言いません。
しかし、、気の早いスギの木は、
ちょっとくらい花粉を飛ばせているでしょう。
花粉を測定する器械で1個でも観測された日を
初観測日というそうです。
昨年の滋賀医科大学耳鼻咽喉科のデータを拝見しますと、
初観測日は2月8日だったみたいです。
そして、飛散開始は2月21日。
その間は薄い濃度で漂っているのかもしれません。
そして、ものすごく敏感な人がまずは反応しだす。
今年は年末から暖かい日が続いていますので、
確かに、わずかに花粉が飛んでいるのかもしれません。
まあ、このままどんどん暖かくなるわけではないでしょうから、
また寒の戻りがあって、しばらく落ち着くでしょうが、
今年はどうも早そうです。
先ほど、初観測日、飛散開始日について書きましたが、
一般的に多くの人が鼻がズルズル・目がショボショボになって
耳鼻咽喉科を受診されるのは、本格飛散開始となる頃で、
1月1日からの最高気温をを足していった数字(積算)が、
300℃付近に達すると、一気に飛び出すと言われています。
多少早い年や遅い年がありますが、
本格飛散はだいたい3月第1週くらいの事が多いですね。
先にも書きましたが、
花粉症の症状の現れ方は、
人によっていくつかのパターンに分かれます。
まだ、ほとんどの人が大丈夫な時期からグスグス始まる人。
⇒高感度型ですね。
始まりは高感度の人程は早くはないが、
始まりだしたら一気にひどくなる人。
⇒重症化型とでもいいましょうか。
みんなと同じ時期に酷い時だけ反応する人。
⇒平均型かな。
これらが、スギとヒノキでそれぞれ反応の仕方が異なります。
これは、症状の現れ方からの分類ですが、
症状そのものでも分類できます。
くしゃみ・鼻水中心の人。
鼻づまり中心の人。
3つとも症状がでそろう人。
鼻以外の症状が強い人:目のかゆみ、顔のかゆみ、微熱など。
まあ、いずれにしても、
早めの対応が、結局使う薬も少なくて済み、
強い薬を使う機会を減らすことになるかと思います。