七草

1月7日は「七草」ですね。
7種類の植物、

せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ

・・・・これぞ春の七草。昔覚えました。しかし、漢字で書くと、

芹 薺 御形 繁縷 仏の座 菘 蘿蔔

難しくて書けません。
ちなみに、秋の七草は、

はぎ ききょう おばな なでしこ おみなえし くず ふじばかま

です。こちらも漢字で書くと、

萩 桔梗 尾花 撫子 女郎花 葛 藤袴

こちらは、まだ書けそうなものが多いですが、
女郎花は知っていないと書けません。

ネットで調べてみると、春の七草は、「七種」と書いて「ななくさ」と
読むこともあると書いてありますね。
そう言えば、「千種(ちくさ・ちぐさ)」は、
僕の故郷にも多い名字ですが、名古屋などでは地名としてもありますね。

「種」を「くさ」と読むのは、あまりピンとこなかったのですが、
やはりネットで調べてみますと、

・くさ(種)>
物事が生じるもとになるもの。たね。材料。原因。
語り種、質種という使い方をする

とあります。だから、「種」と「草」は概念の起源は近いのですね。
今まで何ともに思っていなかったけど、
言われてみればなるほどですね。
「種」とは植物の種類を数える助数詞だったのですね。

さらに興味を持ったので、昔このブログで紹介した、
『言葉の起こり 飯野布志夫著作集1』 鳥影社
という本を片手に、「くさ」について考えてみました。

「く」という音の語源は、「食い込むこと」だそうです。
「くつ」というのは足を食い込ませるものだし、
「くい」は地面に食い込ませるわけですね。
ひょっとすると、「苦痛」の「苦」は、
自分の心に食い込んでくる感情を示したものが
語源なのかもしれません。

次に、「さ」を調べてみますと、
「さ」は、際だった成長発展を表現した音だとか。
だから、「盛ん」とか「栄える」という言葉の「さ」や、
「先」という言葉の「さ」などは伸びるイメージなんですね。

そう考えると、「くさ」というのは、
「地面に食い入り、伸びるもの」ということになり、
なんとなく、なるほど!と思うわけです。

話が脱線してしまいました。

春の七草は、「若菜」とも言うそうです。
そういえば、昔習いました。

君がため 春の野にいでて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ

百人一首、15番目、光孝天皇の御歌ですね。
古典を習うもっと前、
それこそ百人一首を坊主めくりのカードとしてしか認識していなかった頃、
春なのに雪が降るのか・・・と不思議に思っていました。

でも、春が新春を示し、
若菜摘みが七草を摘むのであれば雪はぴったりです。
特に旧暦なら雪が降っている可能性はもっと高かったでしょう。

それにしても、この若菜が七草だったとは、今日まで知りませんでした。
ネットってありがたいですね。

参考:
・Wikipedia 七草
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%83%E8%8D%89)

・goo辞書 くさ
(http://dictionary.goo.ne.jp/jn/60955/meaning/m0u/)

・ちょっと差がつく百人一首講座
(http://www.ogurasansou.co.jp/site/hyakunin/015.html)