サンタさん来たかい?

以下は2007年12月24日、
他で匿名でブログをしていた頃に書いた記事です。

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普段の診察の時に、
できるだけ(と言っても10人に一人もない程度ですが)
子どもに声をかけるようにしています。

初めての子だったら、
「何歳ですか?」「何組さんですか?」などと尋ねます。
だいぶん慣れてきた子なら、
「今日は何して遊んだの?」とか、
「何か習い事してるの?」などなど。

と言って、恥ずかしがってか、
痛いことされるのじゃないかと緊張しててそれどころじゃないのか、
何も答えてくれない子の方が多いのですけど。

で、この季節、小さな子ども達の興味はサンタクロースですね。
クリスマス前なら、「サンタさん来そうかい?」
(もちろんサンタを信じてそうな年齢の子に聞くのですが)
クリスマスの朝なら、「サンタさん来たかい?」
まあ、少し大きな子なら「プレゼント何をもらったの?」などと聞きます。

その質問に色々と答えようとする子もいれば、
うれしそうににっこり笑うだけの子もいます。

そんな顔を見たいので、25日の診察では結構尋ねていました。
「サンタさん来たかい?」

ところが今年はちょっと尋ねるのを躊躇しています。
というのは、昨年いつものように「サンタさん来たかい?」
と尋ねたところ、ちょっと淋しそうな顔で首を横に振る子がいたからです。

あっ!しまった!
何となく最近はどこの家庭でもプレゼントをもらうものかなと
勝手に思っていたので、ちょっとこの時は焦りました。
そういう子も、当然中にはいるでしょうに。
ちょっと配慮が足らなかったかなぁ・・・。

その時は、その子の滲出性中耳炎がたまたまうまい具合に治っていたので、
「そうか、きっとサンタさんは病気を治してくれたんだね。」
とは言いましたが、多少しどろもどろでした。

その家々の事情もあるでしょうし、
信条や宗教というのもありますからね。
プレゼントがもらえない子どももいるということに
気を留めておくべきだったかもしれません。
こんな時どうしたらいいのでしょうね。

サンタの来なかった子には
何か用意しておいてあげるといいのでしょうか?
でも、それはちょっとやりすぎの様にも思うし、
まず来院する子みんなに聞いてまわらないと不公平になっちゃうかも。
結局、尋ねないのが無難なのかな。
そんなことを考えている今日このごろでした。

それでは皆様、メリー・クリスマス!

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今年も結局尋ねることはありませんでした。
何かおもちゃを持って診察室に入ってくる子がいたら
尋ねてみようかなとも思っていたのですが。

それにしても、
日本人の宗教に対するゆるさというか、
何でも自分たちの都合のよい様に取り入れてしまう
柔軟性というか、ご都合主義というか・・・脳天気なところ。
一神教の宗教が大半の国では考えられないことでしょうね。
でも、日本人のそんな脳天気なところ僕は好きです。

さあ、今年もあと1週間!
頑張ろう!