マグネシウムについては、
実は今年の春頃からちょっと興味を持っていました。
そうすると、アンテナが働くのか、
共時性(シンクロニシティ)が働くのかわかりませんが、
New England Journal of Medicine という
有名な雑誌の今年の6月5日号に
「Magnesium Disorders(マグネシウム障害)」
という表題の記事が出ました。
Magnesium Disorders | New England Journal of Medicine (nejm.org)
PCで翻訳したものをざっと読んでみて、
ちょっと目にとまったところだけ書き出してみました。
・成人の正常な血清マグネシウム濃度は、
1デシリットル当たり1.7~2.4mg
(1リットル当たり0.7~1.0mmol)
⇒ネットで調べると、厚労省のサイトでは、
1.8~2.3mg/dlとあります。まあだいたい同じですね。
・低マグネシウム血症の患者は、
嗜眠、筋けいれん、筋力低下などの
非特異的な症状を呈することが多い
・すべてのATPアーゼ反応には、
RNAおよびDNA機能に関与するものを含め、
Mg2+-ATPが必要である
・マグネシウムはグルコース、脂質、タンパク質代謝を調節している
・ マグネシウムは、神経筋機能の制御、心拍リズムの調節、
血管緊張の調節、ホルモン分泌、
中枢神経系におけるメチル-D-アスパラギン酸(NMDA)遊離
に関与している
・マグネシウムは、
細胞内シグナル伝達に関与するセカンドメッセンジャーであり、
生物学的システムにおける概日リズムを制御する
概日時計遺伝子の調節因子でもある
・体内には約25gのマグネシウムが存在し、
その大部分 は骨と軟部組織に貯蔵されている
・遊離脂肪酸が慢性的に高濃度 の患者は、
一般的に血中マグネシウム濃度が低く、
血漿マグネシウム濃度と心血管疾患
および代謝性疾患 のリスクは反比例する
(Mgが少ない人は心血管系疾患等になりやすいよいうことですね)
・ システムレベルでは、
マグネシウムは主に3つの臓器によって調節されている。
食事からのマグネシウム吸収を調節する腸、
ヒドロキシルアパタイトとしてマグネシウムを貯蔵する骨、
尿中マグネシウム排泄を調節する腎臓
である
・抗生物質、利尿薬、生物学的製剤、免疫抑制薬、
プロトンポンプ阻害薬(PPI)、化学療法など、
多くの薬物クラスがマグネシウム消耗症や
低マグネシウム血症を引き起こす可能性がある
・低マグネシウム血症は、
慢性アルコール使用障害に関連する
最も一般的な電解質異常である
・心臓では、低マグネシウム血症は、
心房細動、Torsades de Pointes、QT延長症候群などの
電気的過敏症や不整脈の素因となる
・ 血管系では、低マグネシウム血症は、
高血圧の特徴である
内皮機能障害、血管収縮、血管緊張の亢進、血管線維化
と関連している
・軽度の低マグネシウム血症は経口サプリメントで管理する。
多くのマグネシウム製剤が販売されているが、吸収率はさまざまである。
最も効果的に吸収されるのは、
無機塩(塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、および酸化マグネシウム)ではなく、
有機塩(クエン酸マグネシウム、アスパラギン酸塩、グリシン酸塩、
グルコン酸塩、および乳酸塩)である
(特に硫酸Mgなどは便秘の薬として用いるようにほとんど吸収されません)
この中で、PPIなどでもMgが消耗されるというのは知りませんでした。
また、体内に吸収されやすいのは有機塩というのも知りませんでした。